クマの出没で日常生活が脅かされる状況の中、被害を少しでも減らそうと学生が立ち上がりました。秋田市の国際教養大学の学生が、クマの出没をいち早く知らせるアプリの開発を進めています。背景には開発者自身の恐怖の経験がありました。
国際教養大学に通う学生が2024年に立ち上げた会社「Bear Bell」。学生寮の一室で、クマの出没をいち早く知らせるアプリの開発を進めています。
開発のきっかけは、代表の服部悠大さんの体験。それは2024年10月の朝に起きました。
Bear Bell代表・服部悠大さん:
「朝、大学の周りを散歩している時に、ふと木の根本付近でクマを目撃した。体長は1~1.5メートルくらいだった。遭遇した時は、思考が完全に真っ白になり、すぐに背中を向けてダッシュで逃げた。クマは何もしてこなかった。ラッキーとしか言いようがない」
「何かあってからでは取り返しがつかない」と、服部さんは強い危機感を抱きました。
服部さんは、友人であり会社の副代表の佐藤孝哉さんと、県内のクマ被害の課題を分析することにしました。
秋田には県が運営する情報システム「クマダス」がありますが、目撃情報は市町村が管理するため、反映までに時間がかかります。その間にクマが移動すれば被害防止につながらないと考えました。
より早く情報を届けたいと開発したのが、アプリ「クマップ」です。
服部悠大さん:
「われわれのサービスでは、出現情報が補足されたら“5秒以内”に住民に通知が届くようにする」
クマップは、クマダスと同じように地図上に目撃情報が表示されます。クマダスは市町村職員などが投稿情報を確認しますが、クマップは人工知能(AI)が精査し、即反映されます。
東北の学生や若手起業家がプレゼンテーションで競う大会で最優秀賞を受賞し、運用開始にさらに弾みがつきました。
服部悠大さん:
「学生がスタートアップとして行っていて、若い人が取り組んでいるという意味で応援してくれる人がいる一方で『まだ色々と未熟なんでしょ』と言われた。そういった人たちに対し、自分たちの思想や技術に基づいて開発を行っているということを懸命に説明し、信頼を獲得していき、知名度やファンを増やしていくことを頑張った」
「クマップ」は4月から試験的に運用され、6月から順次、一般利用が開始されます。
服部悠大さん:
「今自然は魅力どころか、恐怖心として人々の心に植え付けられてしまっている現状があり、それがすごく悔しいと思うので、まずはわれわれのサービスを通して目の前の脅威を取り除き、その先にある未来として、自然や動物を生かした魅力づくり、東北の地域創出に取り組んでいきたい」
03月13日(金)18:30