終戦から間もなく81年、日本最後の空襲の一つ「土崎空襲」の記憶も風化が課題となっています。こうした中、学生たちが演劇を通じて、平和について考え、記憶を語り継ぐことの大切さを訴えました。
秋田市土崎地区は、終戦前夜の1945年8月14日、約4時間にわたってアメリカ軍による爆撃を受け、市民や軍人など250人以上が犠牲になったと伝えられています。
菅原咲子アナウンサー:
「攻撃目標となった日本石油秋田製油所の一角にあった建物の柱です。コンクリートがどろどろに焼けただれ、空襲の激しさを物語っています。土崎空襲の惨禍を、若者たちは演劇で語り継ぎます」
11日、秋田市の土崎みなと歴史伝承館で、県の内外から抽選で選ばれた観客50人を前に、聖霊女子短期大学演劇部の学生が土崎空襲を題材にした演劇を披露しました。
タイトルは『永遠に紡ぐ』。土崎空襲を体験した人の証言を基に描かれた演劇部オリジナルの作品です。
主人公は、夏休みの課題で土崎空襲を調べることになったもののやる気の出ない女子高校生。不思議な手帳を手にするところから物語は始まります。
主人公は手帳を通して土崎空襲を生き延びた女学生とつながり、あの夜、何が起きたかを知っていきます。
女学生との交流から、主人公は平和について考え、記憶を語り継いでいくことを誓いました。
また、青森市の高校の演劇部も作品を披露しました。
土崎空襲の半月ほど前の「青森空襲」が題材で、11年前の部員たちが体験談を基に作り上げ、代々受け継いできた演目です。
観客は、若者たちの平和への願いを込めた熱演に引き込まれていました。
秋田市民:
「こうやってつないでいかないと次に続いていかない、すごく大事なこと。全身で訴えてくれているのが伝わってきて感激した」
鹿角市から来た観客:
「日常の平和と、いま世の中で起きている戦争のことを結び付けて考えることがあまりないので、その機会をもらったと思う」
土崎港被爆市民会議・伊藤紀久夫会長:
「『私たちが語り継いでいく』という決意で演じていたので、すごく励まされて、私も今後勇気を持って伝承活動をやれるなという力になった」
戦後81年。当時を知る人が少なくなる中、若者たちの全身全霊の演技が記憶を語り継ぐ大きな力になっていきそうです。
08月12日(水)18:00