秋田県内でクマの出没が相次ぐ中、「人とクマとの共生」について考えようというフォーラムが26日、秋田市で開かれました。クマを研究する大学教授や猟友会のトップ、鈴木知事らが壇上で意見を交わしました。
講演会は、人とクマとの共生について県民に考えてもらおうと県が開きました。
クマ研究の第一人者である茨城県自然博物館の山崎晃司館長が「今、秋田で起きていること」と題して講演しました。
山崎館長は、2000年代の前半にはすでに現在のようなクマの分布になっていて、ここ数年で急激に数が増えたわけではないと説明。その上で、人口減少や高齢化、耕作放棄地の増加により、クマが人の生活圏に出没するようになったと指摘しました。
山崎館長は、鹿角市や北秋田市でクマの行動を追跡調査した結果、「1頭のクマが東西に50キロ以上移動することが分かった」などとして、「被害の軽減には捕獲した個体の研究や分析を進め、クマの生態をさらに明らかにしていく必要がある」と提言しました。
茨城県自然博物館・山崎晃司館長:
「クマの管理は、ただ捕ればいいわけではなく、捕ったクマからどれだけサンプルを集めて、クマの管理にどう還元できるかがすごく大事。研究・分析できる人材・体制をつくることが大事」
フォーラムの後半では、山崎館長に加え、クマに関する研究を行う大学教授や県猟友会の会長、そして鈴木知事が登壇。人とクマのすみ分けの実現に向け、「捕獲」「環境整備」「普及・研究」の3つの観点について、それぞれの立場で意見を交わしました。
秋田県猟友会・佐藤寿男会長:
「クマをすぐ捕りたい状態だが、人が揃わないのが現状。県民や団体の皆さんに『どうかハンターになってください』という運動をしていかなければならないのではないか」
山崎晃司館長:
「家の周りのカキやクリなどの誘因物をきちんと管理できないと、だんだんクマが人に慣れてしまう。クマの数を減らしても問題を起こすクマは一定数出てきてしまうので、よく考えなければならない」
鈴木知事:
「私たちが直面しているこの東北のクマの激増は、私たちならではのしっかりとした科学的な研究が必要だと思うので、前向きに検討・準備をしている」
会場には445人の県民が詰めかけ、クマの生態や被害防止に向けた県の取り組みなどについて理解を深めていました。
(※山崎晃司館長の「崎」は「たつさき」)
04月27日(月)17:30