秋田県北秋田市を拠点に地域活性化などに取り組んでいる斉藤美奈子さんが、新たなプロジェクトに乗り出しました。自身のルーツと学びを足掛かりに、若い世代の呼び込みを狙います。
神奈川県出身の斉藤美奈子さん。海外の飲食店勤務などを経て、2020年に秋田にやってきました。
北秋田市の地域おこし協力隊を務めたのち、阿仁比立内地区を拠点に地域の活性化に向けた活動を続けています。
同時に2025年秋には、アフリカの日本食レストランなどを視察し、約3カ月現地に滞在しました。
「秋田の食の魅力を海外に発信したい」
現地の暮らしの中でその思いは強くなり、エチオピアの飲食店で活動することを決めました。
活動開始は今春の予定でしたが、4月中旬に北秋田市を訪れると、そこには斉藤さんの姿がありました。
斉藤美奈子さん:
「年末からはそのスケジュールで全部動いていたが、それが白紙になってしまった事実はある」
世界情勢の変化で飲食店オープンに向けた工事が遅れ、渡航の見通しが立たなくなりました。
斉藤さんは、エチオピア行きの見送りを決断しました。
斉藤美奈子さん:
「今回は残念だが、秋田に残りなさいというお告げなのかなと捉えている」
どんなことも前向きに捉える斉藤さん。落ち込む間もなく、すでに新たなプロジェクトに乗り出していました。
プロジェクトのパートナーは、斉藤さんの高校時代の恩師・村越亮治さんです。
村越亮治さん:「二十数年前の担任です」
斉藤美奈子さん:「16歳から、私の若かりし頃から知ってくれている」
村越さんは、卒業後も斉藤さんと交流を続けていて、北秋田市をたびたび訪れたことがあります。現在は東京の玉川大学で准教授を務め、英語教師を目指す学生たちを指導しています。
村越さんが担当する学科では、海外留学がカリキュラムに含まれていますが、新たに国内留学プログラムを設けることになりました。地方の教育事情などにも目を向けてもらうのが狙いです。
留学先の候補として目を向けたのが、斉藤さんが暮らす北秋田市でした。
村越亮治さん:
「受け入れ先もゼロベースだったが、『そういえば斉藤美奈子がいるじゃないか』ということになった。数カ月滞在しながら地域の暮らしや産業、英語教育はどうなっているのかなど、身をもって学ばせたい」
提案を受け「秋田に新たな人の流れができる」と考えた斉藤さん。すぐに協力を決めました。
斉藤美奈子さん:
「私としては、関係人口の創出の具体的な取り組みというところで、先生と一緒にできるんじゃないかと考えている。自治体としても確実にメリットがあることでしかないと思っているので、ぜひこれは全力で進めていきたい」
プロジェクトを実行するべく北秋田市に連絡すると、津谷永光市長に直接取り組みを売り込むチャンスを得ました。
村越亮治さん:
「お母さんたちのところに泊めていただいて、そこで仕事をして、道の駅で働くとか農作業をするとか生活をして、自分の視野を広げてもらう」
斉藤美奈子さん:
「これから中身を一緒に相談しながら前向きに進められたら」
熱のこもったプレゼンテーションを受けた市長の反応は。
北秋田市・津谷永光市長:
「お試し移住とかで宿泊施設使って、そういうスタイルで最初は来てもらっても構わないだろう」
「学生の存在が地域の刺激になれば」と取り組みに期待を寄せ、前向きに検討する方針を示しました。
斉藤美奈子さん:
「幸先はすごく良かったと思う。ちゃんと恩返しじゃないですけど、斉藤美奈子を採用して良かったと思ってもらえる活動がしたい」
村越亮治さん:
「今まで一生懸命やってきたから信用を勝ち得ているんだと思う。人脈というか人のつながりをしっかりつくってきたなと思う。頼もしい」
北秋田市に移住してから間もなく6年。恩師と挑む新たなプロジェクトの今後の展開に注目です。
05月14日(木)18:00