秋田県では近年、記録的な大雨が相次いでいます。背景にはスーパーエルニーニョや日本海の高い海面水温があり、今シーズンも短時間の激しい雨への警戒が必要です。2026年の県内の梅雨の傾向について、気象予報士の石塚絵里子さんの解説です。
近年の雨の記録を見てみますと、2025年は鹿角市で6月の観測史上最大の1時間降水量33ミリを記録。また梅雨明け後の8月には、由利本荘市本荘でも記録的な雨が降りました。
2024年は由利本荘市東由利で7月に1時間降水量の記録を更新、そして2023年7月は、秋田市で24時間降水量が観測史上最大の188.5ミリとなりました。
このように、県内は毎年のように記録的な雨が降っています。今シーズンも記録を更新する可能性があります。
その原因は「スーパーエルニーニョの発生」と「日本海の海面水温の上昇」です。
スーパーエルニーニョから見ていきます。
エルニーニョは、赤道付近の海面水温が高くなることで、その水温が“かなり”高くなることを「スーパーエルニーニョ」と呼んでいます。
“かなり高い”とは、平年より2度以上高いことで、過去3回発生しています。
注目したいのは2023年で、この時はギリギリ2度に届かなかったのですが、スーパーエルニーニョ級になっていました。秋田で記録的な雨となり、甚大な浸水被害があった年です。
2023年7月の大雨の日は、梅雨前線が東北に停滞していて、次々に発達した雨雲が県内にかかりました。この年と同じように今シーズンもエルニーニョが発生していますので、同じ状況になるとは限りませんが、警戒が必要だと言えそうです。
大雨の可能性となるもう一つの原因が、日本海の海面水温が高いということです。
現在の海面水温は平年より高くなっています。海面の水温が高いことは、線状降水帯が発生する要因の一つとして知られています。
では、実際に大雨が今後予想されているのか。最新の1カ月予報を見てみますと、東北地方の日本海側は平年より少なくなる確率が高くなっています。ちょっと安心できるかな、と思ってしまいますが、これはあくまでも1カ月トータルの降水量、いわゆる総雨量です。
今シーズン注意が必要なのは「短時間の大雨」です。
シトシト雨が毎日10ミリずつ1週間続けば、総雨量は70ミリに達しますが、6日間晴れていてもわずか1時間で50ミリの雨が降ると、総雨量は少なくても一気に災害の危険が高まります。
今シーズンは短時間に降る強い雨が予想されるので、大雨への備えが大切です。
ハザードマップの確認や非常用持ち出し袋の点検など、雨への対策をしっかり進めておきましょう。
06月22日(月)19:00