私たちの生活圏にクマの脅威が広がっています。秋田県の情報システムクマダスによりますと、2026年4月から6月22日までのクマの目撃件数は1836件で、2025年の同じ時期の2倍近くに上っています。
市街地や海の近くなど、沿岸部での目撃件数の増加は「川の存在」が大きくかかわっているようです。
6月9日の朝、由利本荘市の住宅に設置された防犯カメラが捉えた映像には、1頭のクマが住宅の敷地に現れ堂々と道路を歩いて移動します。
同じ時間帯には、すぐ近くに住む80代の女性が自宅の玄関を開けると、クマと鉢合わせ。女性は驚いて転倒しけがをしました。
県内では5月から6月にかけ、クマに襲われるなどして1人が亡くなり、4人がけがをしていますが、このうち3人が由利本荘市での被害です。
クマの生態を研究する秋田県立大学の星崎和彦教授は、次のように分析します。
秋田県立大学・星崎和彦教授:
「長らく、出羽丘陵の南側の大森山動物園から由利本荘にかけては、クマの生息地ではなかったところだが、この10年~15年で普通にクマが生息するようになったエリア」
秋田市の南部から由利本荘市にかけては、クマの餌が豊富とは言えず、新たな生息地を求めて移動するクマが増えているといいます。
秋田県立大学・星崎和彦教授:
「大森山動物園のあたりから新屋の方に出てきて、分布を広げようと新しい移動するときに、雄物川が邪魔になるので、そこに(クマが)たまってしまう」
つまり、雄物川の手前にクマがとどまったことで、目撃情報が増えた可能性があります。
一方で、雄物川を越えたとみられるクマもいます。
秋田県立大学・星崎和彦教授:
「一念発起して雄物川を渡っているのが(土崎の)埠頭(ふとう)なのかなと思う時があります。ただ、そういう個体の移動とかどこに隠れているかのデータは、いまほとんどないのが現状ですから、科学的に情報を集めることが急ぎで求められていることだと思っている」
4月には、秋田港の釣りスポットでパイプラインの上を歩くクマが目撃されました。
秋田立大学・星崎和彦教授:
「秋田市内で起こっていることが、由利本荘市で起こっているという解釈でいいと思う。どの市町村であっても、市街地にいつクマが出てきても特に驚きはないというくらいの状況にあると改めてわかるかと思います」
星崎教授は、市街地に出没するクマは夜に住宅の敷地を移動している可能性が高い、と指摘します。
人感センサーライトの設置や、警報音で異常を知らせるなど「人がいるということをクマに認識させること」が有効だとした上で、課題にも言及しました。
秋田県立大学・星崎和彦教授:
「そうなると、その費用を誰がどうやって捻出するか、これは行政の問題で、今なら解決できるのかなと。社会としては相当なコストを払わないといけないが、現状でクマに慣れていない人に安全を担保するには、そのくらいの思い切った手当てが必要かと」
今後、人身被害をゼロにするために「思い切った対策」が求められています。
06月23日(火)19:00